CMYK

2016年9月19日

YMCAではない。カラーモデルの一種である。
RGBは聞き慣れた言葉ですが、
CMYKはどちらかというと印刷する際に用いられる用語。
CMYKはシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)と
キー(Key)から頭文字1字を取ったもの。
実際のところ、シアンとマゼンタとイエローとブラックの4色から構成されてて
理論上はこの3色で全ての色を表現できる事からCMYが制定されてる。
CMYを全部混ぜれば一応黒(偽黒)が出来るという事ですな。
家庭用プリンタでもこの4色で大体が構成されてますが
時々超安物とか、メーカーPC付属のプリンタとかだとCMYしかない事があったりする。
黒の文字印刷しても、何か
汚く混じったCMYでの黒しか出ないから色々と残念な結果になる。
写真印刷の場合は、足りない印刷解像度を補う為にこれ以外の色のインクを
搭載したプリンタもありますが、基本的にはこの4色。
というか、超高解像度で印刷する業務用プリンタはこれだけで十分なのである。
ウチのプリンタみたいに8色とかあったらランニングコストが高すぎる為である。
さて、このCMYKですが印刷の時に使われるカラーモデルの為に
パソコンで作った画像を印刷する際に困る事が出てきます。
それはパソコンで作る場合は普通はRGBでカラーをつける為に
印刷する場合にはCMYKに変換しなければなりません。
これが厄介で、CMYKは基本的にRGBより表現できる色数に限界があります。
理論的には色制限なんざ無いんですが印刷機やPCの色表現での限界です。
PCでの色表現はRGBを基本に作られているので、CMYKは
どちらかというと擬似RGB表現での発色になってます。
つまりPC上でCMYKに変換すると、RGBより足りない色数での表示になり
印刷結果もRGBより足りない結果で印刷されます。
印刷機が出せるCMYKでの色域の限界もそうですが
RGB→CMYKでの変換は精度が低いものしかないってのも問題となっており
印刷屋に限りなくRGBに近い設定で頑張って貰うか
作者側が頑張ってRGBに近くなるように変換するか
元々CMYKで作成するかといった工夫が必要になります。
そもそもがRGBが光の3原色に対して、CMYが色の3原色なのだから
うまく変換できなくて当然といったら当然なんですが。
RGBは色を混ぜれば明度が上がり(3つ混ぜると白)、
CMYは色を混ぜれば色濃度が上がるわけ(3つ混ぜると黒)ですから。
この特性から、大体のPC用ソフトではCMYKに変換すると彩度が下がります。
以下は変換する前と変換した結果↓
勝手にraghoの新刊の表紙を引用してすまぬ。
■RGB24bit
rgb_smp1_100508.png
■CMYK
cmyk_smp1_100508.png
滲んだ赤色がくすんで見える。
お次は色数が足りなくてグラデーションが潰れた結果。
■RGB24bit
rgb_smp2_100508.png
■CMYK
cmyk_smp2_100508.png
シルクハットの影の部分のグラデーション階調が潰れてます。
モニターやWindowsの設定で16ビートカーラ(16bitカラー)になってたら
RGB24bitの方も潰れてるかも。
尚、このCMYK自体もモニタがsRGBやAdobeRGBカバー率が低い場合は
見え方がウチと違うのでその辺も注意してください。
ウチはAdobeRGBカバー率90%以上の
EIZO FlexScan S2000で見た上での感想を書いてます。
結果的にこうなったらどうすればいいかというと
・彩度を上げる
・色域調整を繰り返す
・始めからCMYKで描く
・解決策は無い、現実は非情である。
彩度を上げた場合、上記例1つ目はどうにかなっても
2つ目のグラデが潰れるのは階調が足りない為どうにもならない。
こういった部分に関しては手直しをして誤魔化すしかないかもしれない。
尚、変換の際のプロファイルは色々試した結果
様々なサイトにもあるように、フォトショップでのCMYKプロファイル
Japan color 2001 Coated」が一番違和感が少ないみたい。
上記の例もそのプロファイルでやっています。
SAI等ではCMYKプロファイル自体が存在しないので
写真加工ソフト等で変換して調整をするしか手段がないようである。
気に入る調整が出来たらそれが印刷結果では同等結果になるのだから
作者側の調整が一番ベターなのかもしれません。